SAMMU MAGAZINE ようこそ、山武へ
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『もつ焼 つるもと』の『もつ焼 つるもと』の いつもらしさ いつもらしさFFAL GROMOTO表通りに看板はあるものの、見渡しても店はなし。半信半疑で中華料理屋の脇の小道に入ると、赤提灯の連なった小さな店が現れた。灯り越しに見える、炭火の煙の中で串を焼く女将の姿ときたら、酒場好きにはたまらない光景だ。いい飲み屋に当たったと思う。夕暮れ時、馴染みの客がカウンターに座り、いつもの串を注文し一杯はじめる。挨拶がわりの他愛もない話に耳を傾け、女将は串を焼きはじめた。ガラガラと戸が開き、次の客、次の客とやって来る。日が暮れた頃には、テーブルも満席だ。肴を注文したら、「ビールもらうよ」と一声かけて、冷蔵庫からセルフでビールを持ち出す。この店は女将ひとりで切り盛りしているから、客も自分でできることは自分でやる。いつしかそれが「つるもと」のスタイルになった。飲み屋は酒を飲むところ。肴をつまんで酒が飲めればそれでいい。それ故、ご飯ものも麺ものもない。それが飲み屋「つるもと」らしさなのだろう。串は「もつ焼き」から「焼き鳥」、「焼きとん」まで色々ある。どれも大粒で、絶妙な焼き加減で出てくる。中でも「カシラ」は格別に美味く、酒が進んで仕方がない。今夜もいろいろな人たちが、勝手気ままに酒を酌み交わす。人生論やら人生観話、仕事の愚痴、助平な話、陽気な笑い声に乾杯の音頭。このいつもの光景が、いつまでも変わらないでいて欲しい。演歌じゃないな。昭和のブルースがよく似合う。「つるもと」はそんな飲み屋だ。46LLED TSURUISKEWERS串は全て1本100円(税込)もつ焼き つるもと山武市松尾町八田2769TEL:0479-86-5246営業時間:16:00〜21:30定休日:不定休48

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