SAMMU MAGAZINE 2022 Vol.2
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蓮沼の海岸通り、全長4キロに渡る蓮沼海浜公園の南端にスケートパークがある。大きなヤシの木に囲われ、バンクに描かれたグラフィティは圧倒的な存在感を誇り、まさにカリフォルニアを彷彿させるロケーションだ。40数年前、スケートパークの先駆けとして作られた「蓮沼海浜公園ローラースケートパーク」は、国内のみならず、海外からも集まった一流スケーターの技を一目見ようと、各地からスケボーフリークが集まった。その存在は、いつしかスケボーの聖地となった。当時を知る一人、万象さんに会いに行った。彼ら蓮沼っ子にとって、このスケートパークは放課後みんなが集まる遊び場だったそうだ。駆けっ子やボール遊びをしている傍らで、小さなタイヤのついたボードを自在に乗りこなす先輩達の姿を見ていたら、スケボーにハマる子が出てきても不思議はない。当時はネットもYouTubeもない時代。スケートパークに集まる上手いスケーターの技を見様見真似で覚え、練習に明け暮れた。ラップやDJをはじめる子も出てきて、蓮沼っ子の遊び場が、蓮沼ヒップホップ発祥の地に変わっていた。老朽化が進み、路面のクラックが目立つ今の「蓮沼海浜公園ローラースケートパーク」は、お世辞にもいいコンディションとは言えない。そのことがかえって初心者には難しいコースとなり、聖地としての格が上がったように思える。昔のような賑わいはないけれど、当時を知るスケーターが、今でもスケボーを楽しむ姿がある。実は、当時の記録も情報もほとんど残っていない。その歴史と歩みは、このパークで過ごした者たちの記憶にだけ刻まれている。それもまた聖地らしい逸話じゃないだろうか。「久しぶりに滑ろうかな」。万象さんが滑りを披露してくれた。満面の笑みは、懐かしさで溢れていた。変りつつある海岸通りのライフスタイル。新たな価値や文化が生まれてくることだろう。楽しみだ。この先どんな変化を遂げようと、その根底にはきっとこのスケートパークの存在があるはずだ。大袈裟かもしれないけれど、蓮沼の象徴なんだろうね。だから、ずっとずっとあり続けてほしい。万象さんと話していて、そう思った。ひとりのスケーターがやって来た。すげーうまい!僕もやりたくなった。 Enjoy American24PARK『アメリカンを楽しむ』『アメリカンを楽しむ』蓮沼海浜公園ローラースケートパーク千葉県山武市蓮沼ホの637公園管理事務所TEL:0475-86-3171入場無料万象こと、北田さん伝伝説説のの『蓮沼海浜公園ローラースケートパーク』『蓮沼海浜公園ローラースケートパーク』18

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