SAMMU MAGAZINE 2023 Vol.3
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丁切っていく。実に丁寧に、実に慎重に。今日のように凍てつく寒い朝も、作業はすべて水の中だ。「今じゃ、こうやって木綿豆腐を作っているところも少なくなったよ」。いくら合理化が進んでも、こうして昔ながらの製法を貫くのは、その手間こそが、昭和25年から続く「小川屋とうふ店」の味にとって欠かせない〝大切な手間〟なのだろう。それは特別なことではなく、ごく当たり前の毎朝の作業。目には見えてこないが、豆腐一丁一丁に愛情を込めているように思える。そうしてでき上がった豆腐は、見るからに特別な表情をしている。きめ細かく滑らかで、大豆の甘みが凝縮された濃厚な味わいだ。「塩をちょっと掛けて食べたらいいよ」と教えてくれた。豆腐本来の味を堪能できる、最高の食べ方だ。7時。すべての豆腐が出来上がった。外はすっかり明るくなっていた。出来上がった豆腐は、これから地元のこども園や給食センターに運ばれる。子どもたちのおいしいお昼ご飯に、「小川屋とうふ店」の豆腐が使われるのだ。ボクも早速、塩を掛けて「小川屋とうふ店」の豆腐をいただこうと思う。11小川屋とうふ店千葉県山武市蓮沼ロの2777-1 TEL:0475-86-2305営業時間:6:00〜17:00定休日:日曜日 URL:r.goope.jp/sr-12-1240612305木綿・絹/各100円(税込)

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