SAMMU MAGAZINE 2023 Vol.3
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松ちらし『鮨茶屋 たちばな』の「ちらし寿司ってね、上に乗った海鮮を肴に酒を楽しんで、その後に下のご飯をいただくんです。煮物なんかが乗っかっているのはそのためなんですよ」と、大将。「へ〜」と、ボク。寿司のネタ話を聞きながら、カウンター越しに大将の包丁さばきを眺める。まぐろ、帆立、海老、数の子!……次々と新鮮な海の幸がお重を彩っていく。お待ちどうさまと、たちばな自慢の「松ちらし」とご対面。その気品漂う盛り付けは、箸をつけるのが勿体なく、このままうっとりと眺めていたいほどだ。とはいえ、やっぱり食べたい。よく覗くと、海鮮の奥に椎茸の煮物や蒲鉾がちゃんとあるじゃないか。今日はお酒と一緒じゃないので、酢飯と一緒に海鮮たちをいただくことにしよう。上品な味わいに頬もほころぶ。ほんのりした甘みの酢飯が、素材本来の美味しさと相性抜群だ。これは、美味い。自慢の味噌汁は、女将さんのお手製の味噌。「これがほんとの手前味噌!」と、女将さん。「上手い!」と、ボク。味もさることながら、誠に居心地のいいお寿司屋さんだ。そばには枝垂れ桜が有名な、妙宣寺と長光寺がある。春になると、常連さんから「桜はどうだい?」と連絡が来る。「桜を愛でたあとは、たちばなでお寿司をいただく」。これが粋な大人の花見のようだ。 〝鮨茶屋〟って名前がぴったりじゃないか。24創業創業39年年12鮨茶屋 たちばな千葉県山武市埴谷2302-28 TEL:0475-89-1588営業時間:11:00〜14:00 16:30〜22:00 定休日:水曜日(第3水木連休)Instagram:sushi.tachibana松ちらし/2,350円(税抜)

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